会長挨拶


第40回日本手術医学会総会
新潟大学医歯学総合病院手術部 病院教授
堀田 哲夫

第40回日本手術医学会総会を担当させていただきます新潟大学医歯学総合病院手術部の堀田哲夫です。総会の会期は平成30年10月12,13日(金曜日、土曜日)です。会場は東京で、江東区東陽町のホテルイースト21東京です。本学会は私が医師になる以前から科学的エビデンスに基づいて、効率的で安全な手術の実現を牽引してきました。諸先輩方のご見識の高さとご努力に改めて敬意を表するものであります。この様に歴史があり重要な学会を担当させていただくことができますことは大変光栄であり、身が引き締まる思いです。
総会のテーマは「患者に寄り添う手術医療」、副題として「エビデンス、スキルそして心の融合」といたしました。エビデンスは科学的根拠、スキルは手術や麻酔、手術看護および機器管理などの専門的技術を示しています。これらは手術に携わるものとして必須の要件、言い換えれば必要条件と言えるでしょう。しかし、手術が高度化、先鋭化さらに過密化するにしたがって患者の望む治療より画一化された成績重視の手術室医療になっているように思われます。そこでエビデンスとスキルを最大限に生かすために患者主体の手術治療を見直す必要を痛感しましたので、「心」という言葉を盛り込ませていただきました。
具体的にはエビデンスとスキルの話題が多くなりますが、人材育成、感染管理、手術器具の洗浄・滅菌、麻酔の進歩と問題点、手術看護の在り方、周術期のチーム医療をメインテーマとして学会を組み立てます。特にSSI対策についてはCDCのガイドライン改訂版が公開されましたので、詳しく検討したいと考えています。また、手術医療の実践ガイドライン第3版の作成が始まっており、本総会でコンセンサスミーティングを開催する予定です。一方、患者主体の手術医療の在り方も掘り下げてみたいと考えています。一般演題ではボリュームの少ない内容でも新しい知見があれば積極的にご発表いただきたいと思います。優秀演題とその表彰も取り入れる予定です。
手術医療は医療材料・医療器械がなければ成り立ちません。我々はこれらについても十分な知識を持って最適な製品を導入する必要があります。製品のスペックと価格の比較が重要であり、機器展示はその絶好の機会ですので、展示にも力を注ぎ、会員の皆様も時間に余裕をもって展示会場を回れるように企画するつもりです。
私は「よく学びよく遊べ」をモットーにしております。10月は学問にも遊びにも絶好の季節です。新潟大学手術部看護師・臨床工学技士・麻酔科医が一丸となってチーム新潟で学術集会も皆様のおもてなしも担当させていただきますので、お誘いあわせの上多くの方々のご参加をお待ちしております。